Talks about DISHWARE

←FAVORITE HOBBYへ戻る   next→

「食器」と一言いっても、実用的なものから目で見て楽しむものから様々です。
例えば日常に自宅で食事をする時、「どんな風に盛り付けしようかな」「この料理には
どのお皿が合うかな」などと家事の中の「楽しみ」が少し増えたような気がして、彩りを
添えてくれます。
また、美しいものはやはり私達の目を楽しませてくれます。食器棚やテーブルにあるだけで、
華やいだ景色にもさせてくれます。ですから私は、食器というものは服に続いて「手に取れる」
身近な芸術品であると思っています。

背景が見えてくる魅力
ある時「食器が好き」だと言ってその話をした時に、「何でこだわるのか理解出来ない。ブランド品好きな
だけでしょ?」
と言うようなニュアンスのことをおっしゃった方がいらっしゃいました。(ちょっと意味不明・・・)
まあ、いきなり頭ごなしに笑いながら言われると、白けてしまい会話が全てそこでストップしてしまうので
「会話のキャッチボールする気ないのかなぁ・・」と思わず言いたくなってしまいます。。。別に理解さえせようという
つもりで話していた訳ではなかったんですけどね・・・。
それはそうと、「こだわる理由」はいろいろとあるのですが、一番簡単に説明出来てしまうのが
「デザインを専攻していたので」というと、ある程度の方は妙に納得されてしまいます。
ですが、もっと細かく説明してしまうと、その食器一つからいろんな歴史的背景が見えてくるからです。
かつて、日本も含めて王室(皇室)のあった国では、大抵貴族の庇護のもとで栄えた窯が沢山ありました。
それこそ昔に「芸術家は金持ちがつくる」なんて言葉があったと思いますが、音楽・美術に限らず食器と
いうものも同じでした。
私はやはり何といっても洋食器が好きなのですが、その歴史背景は本当に面白く興味あるものです。
全て挙げたら切がないですが、例えば一つ例を挙げるとします。

フランスのセーブル(私の趣味ではありませんが)はルイ15世の寵妃と言われた
「ポンパドール夫人」がたいそうお気に入りだったらしく、その庇護のもとで発展した陶磁器です。
ブルボン王家のこの時代の装飾をよく「ロココ調」などといいますが、まさに言うに相応しい「華麗」な装飾と形を
しています。そして、その後は更にあのマリー・アントワネットへと引き継がれて行きました。
また、セーブルの「美しい青色」は非常に評価が高く、「セーブルの青、大倉の白」などと言われているようです。
この「セーブル」私はあまり好みではないので、「欲しいなぁ」と思ったことはありませんがはっきり言って凄い
お値段です・・・。
まぁ値段はともかくとして、例えば写真などで見ていても「あぁ、これが引き継がれてきたんだなぁ」とか
「宮殿の中はこんな食器が沢山あったんだなぁ」「これでお茶してたんだなぁ」等など・・・いろいろと想像を思い
巡させてみると、当時の様子が生き生きとしてきてきます。そんなところが楽しみの一つなのです。
「ART」で触れた音楽や絵画についてもそうですが、芸術品というものはその国の文化を学ぶことも
出来るものです。
それは私にとって、教科書で見る歴史よりも「はるかに生活に密着した身近な歴史」の勉強になるのです。
そもそも、歴史というのは「日常生活の繰り返し」によって形成されてきたものです。
戦争の歴史が多くとも、その影では必ず誰もが日常生活を送っていた筈でした。
あの処刑された「マリー・アントワネット」も、生前はどんな日常だったんだろうということも、こんな一つのものからも
推測出来て楽しくなってくるものです。
「この食器でこんなもの食べていたんだ」「あぁ、税金でこんな贅沢しちゃあ国民が怒るわよね」・・・等と
なってくる訳です。

そんないろんな物語が、食器の歴史の中に詰まっています。


お柄国によって差を感じる
服、住居なんでもそうですが、食器というものはそのお国柄によって大層差を感じます。
やはり国によって文化や嗜好が異なりますから、そういった部分がよく表れていると思います。
例えば、ドイツのマイセンなどはやはりドイツらしく、職人技を感じさせるものが多いです。人形などを始めとする
装飾品は別として、素朴な味わいのデザインも多く見受けられます。ですがそこはやはりドイツらしく、いざ手に
とってみると、温かみがあり、手触りが良く使いやすいという特徴を感じます。
マイセンの人気が高いのは、実用性のあるものから手の込んだ華麗な装飾品など多岐に渡りバリエーションに
富んだ様々な陶磁器があるからではないでしょうか。
また、先程上で例に出したセーブルは、フランスらしく「華麗」な感じです。但しこちらは実際に使用したことが
ないので、どんな感触かは不明です。私個人的には、普段食事をするんだったら、マイセンのほうがいいと
思ってしまいますが・・・。
イギリスには、ウェッジウッドをはじめミントン、ロイヤルドルトン、ロイヤルアルバート、ロイヤルウスター・・・など
などその他沢山。(覚えきれない・・・)
やはりどこを取っても皇室や貴族に支持されてきました。特にそのテーブルウェアの中でもティーカップ&ソーサー
は種類も豊富で、また姿形も上品で実用性も良いと思います。紅茶が発達した国ならではかもしれません。
イタリアといえばリチャードジノリですが、陽気なイタリアというお国柄が反映しているようなデザインのものが
多いです。
イタリアはヨーロッパの中でもその芸術や文化の歴史は最たるもので、ルネッサンスから現在にいたるまで
こよなく美しいもの・美味しいもの・楽しいものを愛してきた文化があります。
ジノリを見ていても、そんなイタリアの息遣いが聞こえてくるような明るく、またキュートな感じのするものが
非常に多いです。私は「キュート」という言葉を使いましたが、それは「綺麗でもあり、可愛くもあり、でも
明るい雰囲気に満ちている」という意味合いがあります。
陶磁器といえばほかにも、デンマークのロイヤルコペンハーゲンや、ハンガリーのヘレンド、オーストリアの
アウガルデン・・・などなど種類だけでも物凄い数です。


料理ともつながる\(^0^)/
とある本に、「料理を大切にする国民が選ぶ皿というのは、まず外側が比較的薄く、手にした時に高級感が
あること。それから底の部分が2重に焼いてあって、厚みがあること。これはとても大切なことで、それによって
料理が冷めにくくなるんですよ」と書いてありました。読めば読むほど「うーーーむ」と感心してしまいますが、
確かに、温かい料理を冷めにくくすることは大事ですよね。
私は大変な食いしん坊なので、食器をみるとそこにどんな料理が盛られるのかなぁ・・・と想像してしまいます。
本来食器というものは、当然ながら料理をよそる「うつわ」になるわけですが、いやはやなかなか奥が深いなぁと
改めて感心してしまいました。


ウェッジウッド
嗜好とは月日が流れると変化してくるものですが、今は「ウェッジウッド」や「ヘレンド」が大好きです。
「ウェッジウッド」なんていうと大変ベタな感じがしますが、やはりその分支持されているだけあって非常に
使い勝手が良いと思います。かと言って、デザインも良く「シンプルだけど良い」といった感じです。
また、他に比べると価格もお手頃なものが多いのも嬉しいところです。(^^;)
ウェッジウッドの歴史についてですが、18世紀のイギリスに生まれました。当時製陶業を営む家に生まれた
ウェッジウッド氏が後により良い陶磁器を作り出すことに成功して、それが英国王室から評価を得て「クィーンズ
ウエア」と称されました。その後は英国内に限らず、欧州各国の王侯貴族からの支持があったと言われています。
イギリスといえば「紅茶」ですが、王室ではまさにその紅茶を飲む時にもウェッジウッドを使用していたのでしょう。
まさに、優雅にお茶をしている風景とマッチするようなウェアです。


ヘレンド
幅広い支持のあるウェッジウッドなどと違い、私はこのヘレンドはかつては別に何とも思っていなかった
陶磁器でした。きっかけは、とある舞台を観てからでした。
オーストリアはハプスブルグ家の王妃、エリザベートの半生を綴ったものだったのですが、
その後「エリザベート展」なるものも開催していました。そこでは、エリザベートがかつて愛用した食器や
宝飾品等々を展示したのですが、エリザベートはヘレンドのファンだったらしく、中でも「ウィーンのバラ」という
シリーズは彼女がこよなく愛したデザインだったと言われています。
白地に緑の縁取りが施してあり、可憐なピンクの一輪のバラの絵が描いてあるシリーズです。
このエリザベート妃ですが、大変な美貌の持ち主でした。肖像画が残っていますが、現代的な美人です。
スーパーモデル並に痩せていて(ダイエットを欠かさなかったらしい)色白で長い黒髪に小さくて細い顔。
そして、そこに整った目鼻立ち。これでもか、という具合に美人の要素を集めたようなお顔立ちです。
いやはや。
ダイエットは勿論、美容にも大変気を遣っていたらしく運動は勿論「牛乳風呂」なんてものに入っていた
とかいないとか・・・。
さらにとどめを刺すように、世界中の美人といわれる女性の写真を集めさせ、常に慢心せず研究する
ことによりその美貌を維持したというエピソードまであります。
「FASHION」でも触れましたが、やはり美人というものは「美は一日にしてならず」を自覚していた
のかもしれません。凄いですねぇ〜。
オーストリア・ハプスブルグ家のエリザベートが「何故ハンガリーの食器を愛用していたか?」ということですが、
当時列強国オーストリアは、ハンガリーを併合して「オーストリア・ハンガリー」なる国家を作りました。
故に自然の成り行きで、ヘレンドもウィーンの宮廷なる所で洗練されていき、エリザベートとその夫
フランツ・ヨーゼフ国王に庇護されていったようでした。
ちなみにご存知だとは思いますが、念のためハプスブルグ家の補足紹介をさせていただくと、
やはり一番有名なのは「マリア・テレジア女帝」です。彼女は「加賀百万石の前田利家の正室のまつ」では
ありませんが、同じように子供を沢山産み、また大変賢い女性だったと言われています。
皇帝である父の死後家督を相続しますが、その際にフランスやプロイセンなどといった国から反対を受け
国を攻められてしまうのですが戦術にも長けていて、見事に防戦して国を守りきったと言われています。
そして娘たちを、欧州各国の王様や皇帝に嫁がせて友好をはかったそうです。本当に賢い女性だった
のでしょうね。
ちなみに末の娘は、「セーブル」の紹介の時にも出てきた「マリー・アントワネット」です。
ハプスブルグ家とは、このように繁栄を極めた「貴族のなかの貴族」といわれた一族でした。

話がそれましたが、
私はこのエリザベートの美に対する追求に「あっぱれ」と思いつつ、彼女の趣味のセンスの良さにも感心しました。
それから私はヘレンドについて、いろいろと深く知るようになりました。

実は興味を持つ前から、ヘレンド自体は持っていました。それが現在集めている「アポニーグリーン」という
シリーズのものです。
母が以前私にくれた変形プレートがあって、それがその「アポニーグリーン」でした。
青や緑系の色がが好きだということもあり、(服はクロやベージュがいいですが・・・)ちょっとずつ集めて
いこうと思い立ち、ウェッジウッドと並んで集め始めました。
母がいつどこで知っていたかは不明ですが、この「アポニーグリーン」はとても繊細で豪華でありながら、
上品な雰囲気がします。
この「アポニー〜」の由来ですが、「インドの華」といシリーズをベースに作られ、その後ハンガリーの
「アポニー伯爵」に納めたことから、そう名づけられたとか。
なかでも「アポニー」は、複雑な絵柄の「インドの華」をもっと簡素化した柄、というコンセプトがあったようです。
そして「インドの華」ですが、ハンガリーは東欧ということで、やや東洋よりの西洋ということになりますが
その特徴を生かして、東洋の影響を色濃く反映して表現されたデザインであるといえます。
ちなみに、「インド」とは当時西洋諸国に東洋の文化を伝えた「東インド会社」のことを指しているそうです。


このようにヘレンドは、シリーズによってはどこかオリエンタルな雰囲気のものも多いです。
ですから和食・洋食・中華・・・様々な料理にも合うのではないでしょ
うか。

←FAVORITE HOBBYへ戻る   next→

SEO [PR] 爆速!無料ブログ 無料ホームページ開設 無料ライブ放送